介護予防事業
介護予防事業(地域支援事業)
市町村における地域支援事業として、二次予防事業対象者に対して、要支援・要介護状態等になることを予防することを目的として、通所や訪問などにより介護予防訓練(運動器の機能向上・栄養改善・口腔機能の向上・閉じこもり予防・認知症予防・うつ予防)が行われています。その中で柔道整復師は、おもに運動器の機能向上を目的として機能訓練指導を行ないます。訓練中に機能向上を図るとともに、訓練期間が終わってからも機能を維持させるために、自宅での運動習慣を身につけてもらうことも大きな目的です。
本会会員は、介護予防・機能訓練指導員認定講習会を修了して機能訓練に必要な知識を習得し、本会と協定を締結した市町村において、会員が事業契約を結んで事業を行なっております。
事業の方式には、地域の集会場などに二次予防事業対象者の皆さんに集まってもらって多人数に対して訓練を行うセンター方式と、1人または少人数に会員の接骨院へ通ってもらい行うサテライト方式、各高齢者のお宅を訪問して行う戸別訪問方式があり、会員は市町村の要請にしたがって、週に1回または2週に1回、1時間から2時間程度、それぞれの方式で二次予防事業対象者一人ひとりの能力にあった個別の機能訓練を行っています。
名古屋市で平成28年6月から移行する「介護予防・日常生活支援総合事業(新総合事業)」の「運動型通所サービス」にも引き続き参入するなど、平成37年(2025)を目途に厚生労働省が実現を目指す「地域包括ケアシステム」にも各地域で会員が積極的に取り組んでいます。
平成28年3月現在、県下14市と4町で約300名の会員が二次予防事業に参入しています。
機能訓練指導員
日常生活を営むのに必要な機能を改善し、またはその減退を防止するための訓練を行う能力を有する者で、柔道整復師・理学療法士・作業療法士・あん摩マッサージ指圧師・看護職員等資格を有する者とされています。
本会会員は各地区で、接骨院の仕事の休み時間を利用して、介護施設で機能訓練指導員として活躍しています。 また、二次予防事業(地域支援事業)において、本会会員は各地域で、接骨院の空き時間などを利用し、接骨院で、または集会場などへ赴いて二次予防事業対象者訓練を行っています。
さらに、介護予防・生活総合支援(地域包括ケアシステム)における機能訓練指導員として、従来の機能訓練に加え、ケガなどで関節や筋肉を使わないことによって起こる廃用症候群や、加齢によって筋肉量が減少するサルコぺニアの改善にも、柔道整復師の活躍が期待されています。
機能訓練指導員研修
機能訓練指導員としての資質向上を目指して、以下の講習会・研修会を開催しています。
- 機能訓練指導員実務研修会及び介護予防・機能訓練指導員フォローアップ講習会
- 介護予防・機能訓練指導員認定柔道整復師講習会
機能訓練指導員実務研修会及び介護予防・機能訓練指導員フォローアップ講習会
平成12年より年に1~2回、介護分野の有識者らをお迎えして、介護保険の基礎知識から老年医学、訓練実技まで多岐にわたる研修を行っており、実務研修会は30回、フォローアップ講習会は13回に及んでいます。
- 第23回(H24.8.36)
- 「二次予防対象者と向き合う機能訓練と指導方法」
- 柴田泰志先生 理学療法士・鍼灸師・産業カウンセラー
- 第24回(H25.3.17)
- Ⅰ.「運動器の機能向上訓練の成果‐名古屋市介護予防事業実施報告(第2報)—」
- 長谷川貴一 機能訓練研修委員会アドバイザー
- Ⅱ.「デュアルタスク(二重課題)と転倒予防」
- 加藤博吏 介護部員・機能訓練研修委員会委員
- 第25回(H25.8.25)
- 「基本チェックリスト25項目について」
- 加藤博吏 介護部員・機能訓練研修委員会委員
- 第26回(H26.3.16)
- 「地域包括ケアシステムとその先にあるもの-参入のために柔道整復師がすべきこと-」
- 金田嘉清先生 藤田保健衛生大学医療科学部学部長
- 第27回(H27.3.15)
- 「介護・医療現場における認知症への適切な対応について」
- 西村陽子先生 作業療法士
- 第28回(H28.3.6)
- 「認知症の理解とその予防法-運動療法を中心に-」
- 對馬 明先生 中部大学生命健康科学部理学療法学科教授
- 第29回(H29.2.19)
- 「柔道整復師が行う認知症予防機能訓練」
- 長瀬理次 介護部長
加藤博吏 機能訓練研修会委員
- 第30回(H30.3.4)
- 「ストレッチングの科学」
- 鈴木重行先生 名古屋大学大学院理学療法学講座教授 理学療法士
介護予防・機能訓練指導員認定柔道整復師講習会
二次予防事業(地域支援事業)実施のための知識や技能を習得するため、(公社)日本柔道整復師会が主催し、全国各地で開催している講習会です。講習会修了者には認定証を発行して、各自治体への参入に際してその技能を担保しています。2日間で10時間の講義を行います。
名古屋市をはじめ多くの自治体で、この講習会の受講が事業参入の条件となっています。
東海ブロックでは本会が主管となって、東海4県をはじめ秋田や岡山、島根、沖縄などの会員や勤務柔道整復師を集めて過去9回開催し、1,301名(本会会員732名)が受講しています。
受講者数 | 開催場所 | |
第1回 (H18.4.1~4.2) |
374名(255) | 東建ホール |
第2回 (H19.3.3~3.4) |
277名(177) | 伏見ライフプラザ 鯱城ホール |
第3回 (H19.11.17~11.18) |
134名(117) | 愛知県柔道整復師会館 |
第4回 (H20.11.29~11.30) |
124名(45) | 愛知県柔道整復師会館 |
第5回 (H21.12.19~12.20) |
98名(27) | 愛知県柔道整復師会館 |
第6回 (H23.6.18~6.19) |
89名(46) | 愛知県柔道整復師会館 |
第7回 (H24.9.22~9.23) |
69名(29) | 愛知県柔道整復師会館 |
第8回 (H25.10.19~10.20) |
72名(12) | 愛知県柔道整復師会館 |
第9回 (H29.8.26~8.27) |
64名(24) | 愛知県柔道整復師会館 |
( )内は本会会員数