柔道整復師とは
柔道整復術
運動器に加わる急性、亜急性の原因によって発生する各種損傷に対する施術を「柔道整復術」といい、損傷に対して評価、整復、固定、後療(手技・運動・物理療法)、指導管理を行い、人間のもつ自然治癒力を最大限に生かす日本古来の技術です。
柔道整復師とは「接骨院」や「ほねつぎ」で、この「柔道整復術」を業として行うことができる国家資格を有する者のことです。
運動器とは、骨、関節、筋、靱帯などを主体とした各組織のことであり、発生する組織損傷を一般には、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などと呼んでいます。
日本古来の武術のひとつである「柔術」には、相手を殺傷する「殺法」と傷ついたひとを蘇生・治療する「活法」があります。殺法と活法は、発展変遷をとげ、現在「殺法」の技は競技柔道に継承され、活法は負傷者に施す治療法として「ほねつぎ」「接骨」に伝承され、「柔道整復術」として確立されました。
平成14年には、柔道整復術は世界保健機構(WHO)に伝統医療として認知され、また平成25年には、独立行政法人大学評価・学位授与機構より28番目の新たな専攻区分として認められ、「柔道整復学」が正式な学問となりました。
柔道整復の歴史
江戸時代に体系化された「柔道整復術」は明治維新以降、社会環境の近代化に伴い、医療行為に対して医師免許が必要となる漢方医学等東洋医学の廃止が明治14年に公布され、事実上「接骨禁止令」として「柔道整復」は存続の危機に瀕することとなりました。
こうした逆風に対して柔道家を中心に「柔道整復」を存続するように運動が起こり、大正9年、内務省の規制改正により許可を受け「柔道整復術」として正式に復活することになります。
その後、昭和期の敗戦により昭和22年、GHQによって「武道の廃止と医学教育の伴わない医療の禁止」が公布され、再び「柔道整復」は消滅の淵に立たされました。このときも先人たちの団結と努力に加え、柔道整復施術を求める多くの人々に支えられ、この危機を乗り越えました。
昭和45年、単行法として「柔道整復法」が成立し、戦国時代から受け継がれてきた「ほねつぎ」は「柔道整復術」として発展を続けています。
療養費については、昭和11年に都道府県ごとに所在の柔道整復師会と協定を結び、料金を定め、受領委任払い制度により取り扱われ、以来現在に至っています。
柔道整復師になるには
「柔道整復師」の資格および国家試験
- (1)
- 柔道整復術
- (2)
- 資格の取得、養成施設
学校教育法第56条の規定により、大学に入学することができる者で3年以上、文部科学大臣の指定した学校または厚生労働大臣の指定した柔道整復師養成施設において柔道整復師となるのに必要な知識および技能を修得し、柔道整復師の国家試験に合格して資格を取得します。
- (3)
- 国家試験科目
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、衛生学、公衆衛生学、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、リハビリテーション医学、柔道整復理論、関係法規
- (4)
- 国家試験および合格発表
- 受験願書受付期間
- 1月初 ~下旬
- 試験日
- 3月上旬
- 試験地
- 北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、福岡県、香川県、広島県
- 合格発表
- 3月末日